2011年4月6日
エリトリアに対する国連安保理決議1907号の即時解除を求めるE-SMARTキャンペーン(Eritrean Sanctions Must be Annulled and Repealed Today!) による調査報告書第2号が発行されております。ご覧ください。
E-SMARTウェブサイト
http://www.eritrean-smart.org/
Eritrean-SMART Campaign Working Paper No.2
http://www.eritreaembassy-japan.org/data/Eritrea-SMART_Campaign_Working_Paper_No2.pdf
以下同報告書要旨
要旨
本稿は、2009年12月23日に国連安保理がこの若いアフリカの国に対して根拠のない嫌疑に基づいて制裁を課すという決定を解明しようとする、過去6年にわたるエリトリアのアメリカ合衆国および国連との関係を仔細に考察する。歴史的記録を詳細に分析することにより、国連やアフリカ連合(旧OAU)と同様、欧米諸国一般、ことにアメリカによるエリトリアの人々に対する明らかな裏切りと不正のパターンが見てとれる。分析は、アメリカのアフリカの角政策は一般に公平性と正当性を欠いている、つまりつねにエチオピアに有利に設定され、そして常に地域一般、ことにエリトリアとエリトリアの人々を犠牲にしてきたということを、明らかにしている。
1991年から98年の短い間をのぞくこの60年間は、エリトリアの人々が自らの運命を自己決定するために―多くの他の国民たちは当たり前に思っている権利だ―闘ってきた長期にわたる戦争であった。この期間の間、エリトリアの自由と主権に関するほとんど全ての問題について、欧米諸国は間違った側についてきた。
こういった時代背景を検証してみれば、アメリカ主導の国連制裁という手段(2009年第1907号決議)は、ソマリアあるいはアフリカの角地域に平和や安全をもたらすためのものではない。この決議は、若く独立心旺盛なエリトリアという国が、欧米諸国のソマリアでの誤った政策を受け入れなかったことを“罰する”ためのものであった。制裁に関する不公平な決定は、アメリカ合衆国がそれを望んだからなされたものである。エリトリア人とエリトリア系アメリカ人は、不安定な、戦争で荒廃したアフリカの地域を取り扱うにあたり、ワシントンのアメリカ政府に対して公平さと正義を行使するものと尊敬していたのであり、これは不幸な出来事であった。歴史、ことにエリトリアとエチオピアの歴史は、どんな超大国の政策であれ、バランス、公平性、正義を欠けば、それはただ戦争と破壊をもたらすのみであり、この地域は過去60年間においていやというほど見てきたものである。
最後に、公平無私な心をもった観察者であれば、なぜエリトリアとエリトリアの人々のみが繰り返しこのような不公平な扱いを受け、平和に暮らし、国を発展させ、本当の敵である貧困や病気、無知やその他の低開発ゆえの問題群に取り組むチャンスを拒否されてきているのかについて問わなくてはならない。
2011年4月6日
駐日エリトリア国大使館