エチオピアとの国境から北へ十数キロ、幹線道路から数キロ先へ分け入り、まるでアーチのように両側からサボテンが生い茂るラフロードを抜けた先に、テワフドの古い修道院がひっそりとたたずんでいます。エリトリア正教(あるいはコプト教)としても知られるテワフドは、4世紀にエリトリアに伝来し、この地で独自に発展してきたキリスト教。
エリトリアでは、国中に古い教会や修道院が点在し、それぞれに縁起をもっていますが、バラクナハの教会でも創建については不思議な伝説が伝えられています。その伝説によれば、その昔、ローマでキリスト教の弾圧に遭ったキリストの使徒の一人が、迫害を逃れてエリトリアにたどり着き、この地にキリスト教を広めたとのこと。歴史を感じさせる入り組んだ構造の修道院の奥には、代々守られてきたミイラが安置されており、伝説もさもありなんと思わせる雰囲気を漂わせています。
また、ここは観光用に整備された場所ではないので、訪問に際しては現地のガイドの案内が不可欠です。